こんにちは

今日は引き続きT波のお勉強をしましょう

STはじめ


T波心室の興奮が冷める過程でしたね。

T波の正常値は
幅:0.10~0.25秒
高さ:四肢誘導で0.5mV以下、胸部誘導で1.0mV以下

ところで、QRS波のように興奮しているときもプラスの電位なのになぜ興奮が冷めていくT波もプラスの電位なのでしょう

刺激伝導系は心臓の筋肉内側を走っています。
そこから興奮が内側→外側伝わり、各誘導の目から見ると興奮が自分に向かってくるのでプラスの電位になりましね。
心筋の興奮が冷めるのは外側→内側の順に冷めていきます。
一気に全体の興奮が冷めるわけではないことがポイントです。
外側は興奮が冷めているのでマイナスの電位となっていますが、内側は興奮が冷めていないためプラスの電位があります。
電気的にプラスが残っていると、電位はプラス→マイナス方向に流れるので各誘導の目から見るとプラスの電位と捉えられるのです。

Tしくみ


T波には心筋の再分極過程で新たな刺激に対して興奮できない時期があります。
これを不応期といいます。
不応期には、
強い刺激を与えても反応しない絶対不応期
比較的強い刺激で反応する相対不応期
があり、T波のピークまでが絶対不応期、それ以降が相対不応期です。

T


これは心房期外収縮のお勉強のときにまた復習しますが、
T波の絶対不応期の最中に刺激が発生すると異所性P波のみのこり、心室への伝導は途脱されQRS波が脱落してしまうんです。
これを非伝導性上室期外収縮といいます。
今は、T波には不応期なんてあるんだなあ、くらいだけ覚えてくれていると今後の復習に役立つと思います

続いてT波の異常では、
T波の陰転
T波の向きがマイナスとなる。心筋梗塞、心肥大、心筋症など多彩な疾患で見られます。
これだけでは心電図で疾患を予想・判断することはできません。

T波の増高
T波の高さを基線からT波の頂点までで計測します。
先ほど記載したT波の正常値以上になったじょうたいですが、目安として、QRS波振幅の1/2以上であることがあげられます。
1/2以上のときにT波の振幅をカウントしてみてもいかもしれませんね。
完全左脚ブロック、左室肥大(容量負荷)、急性心筋梗塞の早期、異型狭心症の発作時、高カリウム血症などでみられます。

T波の平低化
目安としてQRS波振幅の1/20未満になります。
低カリウム血症や、心筋虚血の場合にもみられます。

T6


今日はT波のお話をしました。
最後までお付き合いありがとうございました