おはようございます

今日も引き続き心筋の疾患についてお話していきます。
今日は拡張型心筋症についてお勉強しましょう

次の心電図を読んでみましょう
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心拍数は1500÷25=60/分
低電位でわかりにくいのですがⅠ、Ⅱ、aVF誘導でP波は陽性
Ⅱ誘導を見ていくと、PQ間隔は一定
P・QRS波は1対1です。
洞調律ですね。

PQ時間は0.16秒

QRS波は0.10秒

電気軸は正常
移行帯はV4誘導にあります

心電図変化はどうでしょうか?
まず四肢誘導で低電位差が確認できますね。
V5V6誘導ではT波が陰性です。

今回のポイントは低電位差、T波の変化です

拡張型心筋症とは
原因不明の心筋疾患で、心室の拡大と心機能低下を起こします。
左室のみの場合と、左右両心室が障害される場合があります。
原因は遺伝性のものもありますが、肥大型心筋症に比べると頻度は高くありません。
家族性拡張型心筋症は日本では25%程度と報告があります。
40-50歳代の男性に多い疾患です。
徐々に心機能が低下し、心不全に進行していきます。

心電図変化として特徴的な変化がありません。
障害されている部分により出現する所見が変わってきますが、心室内伝導障害や脚ブロックを起こすことが多いです。
心筋障害により、
ST-T変化
心室期外収縮
異常Q波
低電位差
左室高電位
脚ブロック
心房細動
心室頻拍房室ブロック
などがあげられます。
心室の壁が薄くなるため、収縮力が低下して内腔は拡張します。
そのため左室高電位にも低電位差にもなりえるのです。
心筋変性・脱落が多い部位には異常Q波が出現しやすく、また不整脈発生原因となります。

今日は拡張型心筋症についてお話ししました
最後まで読んでいただきありがとうございました